2015-07-17

ベジ?ノンベジ?   ~インドはベジタリアン天国!?~

「ベジ?ノンベジ?」

このフレーズ、インドでは毎日のように聞かれます。

「ベジタリアン?それとも、ノン・ベジタリアン?」という意味です。



ベジタリアンは、菜食主義、
ノン・ベジタリアンは、お肉や魚も食べるという意味ですが、
これをしょっちゅう聞かなくてはならないほど、インドにはベジ(ベジタリアン)がいるのです。

わたしの肌感覚では、3割くらい。
(あくまで肌感覚です・・・・)

ベジ、ノンベジいずれかのマークが食品にはついています


今回は、インド人の食習慣、ベジタリアンとノン・ベジタリアンについて、書いてみます。


食習慣は、宗教に密接に関わっています。
※宗教に関しては、以前の記事へ→☆☆☆

そして、ベジ、ノンベジの中でも、もっと細かく主義が分かれています。


1)ピュアベジ(ピュアベジタリアン) 
お肉、お魚はもちろん、卵も食べません。
ピュアベジの中には、根菜を食べない人、ニンニクと玉ねぎを食べない人などもいます。

ニンニクと玉ねぎは、多くのカレーに使われているのですが、
昔、大きな悪魔を倒したときに、
頭と足のどちらかがついたところからニンニク、
もう一方から玉ねぎが生えたので食べないそうです。 
(どっちがどっちかは忘れました・・)

ピュアベジは、ジャイナ教の人と、ブラフマンというカーストのヒンドゥー教の人が該当します。
彼らは、お酒も飲みません。
もちろん、例外もいまして、他のカーストや宗教でもピュアベジの人もいます。


ピュアベジの人の中にも、「友だちと、ケーキとかみんなで食べるし、卵は食べるよ。
お酒もお母さんには秘密だけど飲む。」という人もいるのがインド。
けっこう自由・・・・。
そういう人に「もはや、ピュアベジじゃないよね?」と聞くと、
「いや、私はピュアベジ!」と言い張るのは、なんともインド人らしくて好きです。


また、海外生活ではピュアベジだと食べるものに困り、
海外生活をきっかけに、卵や動物性たんぱく質もとるというになったという人もいます。



2)エグタリアン
ベジ、かつ卵を食べる人です。エグタリアンも、ベジタリアンとみなされます。


3)ノンベジ
動物性タンパク質もとる、つまりお肉やお魚も食べるということです。

ノンベジの中でも、ヒンドゥー教徒は牛を食べません。
豚も、食べ慣れないので食べない人が多く、
ウィンナーやソーセージは食べるけど、加工品でない豚肉は食べないという人も多いです。

ヒンドゥー教徒でノンベジというのは、
鶏肉とマトン(山羊)、魚を食べるという意味とほぼイコールです。


また、イスラム教徒は豚は厳禁ですが、牛はOK。
インドで売られている牛は水牛です。
ムスリムのレストランには、牛カレーがあります。

キリスト教徒は豚も牛も鶏もマトンも、魚もOKですが、
やはり鶏肉、マトンと魚を主に食べる人が多く、牛と豚は食べるとしても少しです。

シク教の人もノンベジですね。





ざっくりと宗教とベジ・ノンベジの関連を書きましたが、
もちろん、宗教に関わらず、その人の考え次第でもあります。

家族が亡くなったり、悪いことが続いて、殺傷をやめるという意味でベジになる人もいるし、
ベジだったけど、食べてみて美味しかったからノンベジになったという人もいます。

また、日によって、神事、お祭りのときにはベジタリアン、禁酒の日などもあり、
DRY DAYという、お酒を売ってさえいない日もあります。ガンディーの誕生日もたしかそうです。

奥深き国です。




ベジ、ノンベジ問題は、レストランでは、注文するときに、
ベジタリアンがいたら、ベジ料理を頼むくらいのもので、
どのレストランにもベジ料理はあるので、さほど問題ではありません。

ただ、よっぽどピュアベジな人は、ノンベジと同じテーブルでは、食べれないそう・・・。


あとは、家に呼ぶときは、私の場合、ノンベジなので、
ベジの中でも、ノンベジの台所で料理したものは食べれない人がいて、
その場合は、ケータリングで済ませるか、持参してもらいます。

ベジの人は、想いがあってベジなので、料理を個別に用意されていることは不愉快ではなく、
むしろ、配慮してくれてありがとうと言ってくれます。


他は、部屋を借りるときに、ベジオンリーの部屋やマンションもあるくらいでしょうか。
ベジもノンベジも入り乱れた国なので、さほど困ることはありません。



ベジタリアンにとっては、とってもメニューを選びやすい国だと思います。


ま、カレーばかりですがね。 笑







このエントリーをはてなブックマークに追加

↓ランキングに参加してます。良かったらクリックしてください。励みになります。↓

にほんブログ村 海外生活ブログ インド情報へ

2015-07-12

インドに行く前に知っておきたい、インドの宗教感覚 - インドには、1億人を超えるムスリムもいます -

友人にインドの宗教のことを聞かれ、
今まで、その複雑さから、敬遠してきたこのトピックについて、
まとめてみようと決心しました。

あくまでも、わたしが滞在期間にインド人から聞いたことをベースにしていて、
文献調査はしていないし、各宗教の歴史や正式な教えについては調べていませんので、
感覚値/知として受け取ってください。
※間違っていることがあれば、教えてください。


私たち日本人の多くが思い浮かべるインド人のイメージって、
ちょっと前までは、ターバンをしてたといったものでしょうか。




ターバンをしているインド人は、シク教徒です。
シク教徒は人口の2%くらいでして、ほとんどのインド人はターバンをしていません。
そして、シク教の人は、昔ターバンをしていたのではなく、今もターバンをしています。

では、インド人は何教が多いかというと、ヒンドゥー教徒です。



ヒンドゥー教
インド人の8割くらいがヒンドゥー教徒です。

ヒンドゥー教には、八百万の神に留まらず、数千万の神様がいます。
2000万という人もいれば、3000万という人もいて、その適当さが素敵です。

その神様たちが、なんだか「神様らしく」ないんです。
喧嘩はするし、浮気したり、人殺し(神殺し?)もするし、はたまた戦争もします。
なんだか、人間くささがあります。

ヒンドゥー教徒曰く、「ヒンドゥーの神様は、「神様らしく」なくて、人間っぽい。
だからこそ、人間の苦悩が理解できる」そうです。

この神様の人間模様ならぬ、神様模様は、現代ドラマにも匹敵するおもしろさで、
常に、テレビドラマで放映されています。

ヒンドゥー教徒にとって、牛は大切。三大神様の一人、シヴァ神の乗りものです。
もちろん食べませんし、街中を悠々と牛が歩いています。

ヒンドゥー教の人気の神様、ガネーシャ
ガネーシャについては、以前の記事へどうぞ→☆☆☆


なお、インドと言えば、思い浮かべる人も多いであろうカーストは、
ヒンドゥー教徒のみに当てはまるシステムです。



イスラム教
次に、人口が多いのはイスラム教徒(ムスリム)。
人口の13%といえども、1億人以上います。

私がいたムンバイでは、一日5回お祈りの時間に、お経のような声が、
そこらじゅうに鳴り響いていました。

サイレンのような音量で、我が家にも、毎日欠かさず日の出の頃から・・・・!
こればかりは、どうしても慣れません。
ムスリム以外のインド人も、慣れていません。


ムンバイだと、ダダールあたりや、Andheriの家具屋街は、大ムスリム地域です。
その他のムスリムが多い地域も、
ムスリムのお祭りのときに、緑の旗で飾っているのですぐにわかります。

今はちょうど、ラマダンですね。
今頃、たくさんの山羊が軒先に飼われていることでしょう。
いっぱい食べさせて大きくしておいて、ラマダン明けに食べます。


ムスリムは、1億人以上いるとあって、旅行でも、必ず会うことと思います。
女性は、ベールを被っているのでわかりやすいです。

人によって信仰の篤さは違い、1日5回のお祈りを、必ずする人ばかりではありません。
「最近寝坊しがちで、朝のお祈りできてないな」とムスリムの友人がぼやいていて、
そんな感じの人もいます。人それぞれです。



他にも、人口比としては多くなくても、
インドに住めば必ず触れる宗教について紹介します。

各宗教、人口の3%以下ですが、周りに必ずいるなという感覚です。
皆宗教を大切にしているので、
誰が何教かというのは、把握し合っているからだとも思います。



シク教
男性はターバンをしています。(最近は、していない人もいます)

ターバンの中のヘアスタイルは、全員ロン毛です。
毛を切らないので、髪の毛も、ひげも長いのです。
西北部のパンジャビに多く、ノンベジ(ノンベジタリアン、お肉も食べる)です。



ジャイナ教
信心深いために信頼を集め、経済的に成功している人が多いと言われています。
ジャイナ教のお寺の前には、ほうきを持ったモチーフがあるのが特徴。
歩く前にほうきで掃いて、足元にいる虫を踏まないようにするという意味だそうです。

殺傷できませんので、ベジタリアンです。
卵も食べず、またニンニクや玉ねぎも食べない人もいたりと、
ベジタリアンの中でも、こだわっている人が多いと思います。
もちろんお酒は飲みません。

※ベジタリアンは、肌感覚だとインド人の3割くらいはいて、
ジャイナ教の人だけではなく、ヒンドゥーの人にも、ベジタリアンはいます。


キリスト教
ポルトガルの影響を受けた南部に多く住んでいます。
もちろん都市にもいて、名前を聞けば、わかることが多いです。
Dominiqueとか、ヨーロッパっぽい名前です。


ゾロアスター教
Persian(パルシー)と呼ばれています。
経済的に成功している人が多く、代表的なのはTATAです。
基本的にインド人は、同じ宗教の人と結婚をするので、
ペルシャ人は人口が少ない中での結婚を繰り返したために、
子どもが産まれにくくなっているという新聞記事を見たことがあります。

ペルシャ人のチャイはとっても美味しいです!見かけたら、必ず飲みます!
そして、パン屋さんもペルシャ人が多くて、こちらも美味しいです。


仏教
インド人仏教徒は、カーストの地位が低い人が、
ヒンドゥー教から改宗した人が多いと言われています。

カーストはヒンドゥー教独特のものなので、ヒンドゥー教でなくなれば、
そのシステムから抜けられるという考えのもと、仏教への改宗運動がありました。
日本人仏教指導者もインドにいるんですよね。かなりの有力者らしいです。

ほかに、宗教に関して、インドで驚いたのは、創価学会の人に何人か会ったこと。
どの人もお金持ち層の人で、会の長を「Sensei」と呼んでいました。
様々な日本企業がマーケティングに苦労する中、
お金持ち層に浸透している学会・・・すごい。驚きました。


以上が、多数を占めるインドの宗教です。


各個人の宗教を、互いにどうやって見分けているかというと、
まずは、名前でだいたいわかるそうです。
カーストも、名字で95%はわかるらしいです。
(私にはわかりませんが・・・・。インド人同市は、まずは名字で見分けます。)


インドでは、宗教は生活に根差していて、普段の生活に自然と取り組まれています。
そして、宗教だけではなく、占星術など、
様々なスピリチュアルなものが生活の中に取り組まれているのも
インドと日本の違いだと思います。

各宗教についての詳細は省きましたが、調べれば調べるほど興味そそられるものです。
ヒンドゥー教は、インド以外では馴染みがあまりないと思いますが、
インドに行くなら、ぜひヒンドゥーの神様にも注目していただきたいです。
地方によって人気の神様が違って、インド国内旅行のときの注目ポイントです。



このエントリーをはてなブックマークに追加

↓ランキングに参加してます。良かったらクリックしてください。励みになります。↓

にほんブログ村 海外生活ブログ インド情報へ

2015-04-09

企業勤めする駐妻生活も、いいものです

インドへ、私は一応、駐在員の妻(短縮して駐妻)として行きました。
夫は、私が家にいたければ家にいてもいいようです。
それでも私自身も働くことを選びました。

日本人の共働き夫婦は、当時ムンバイには私たちしかいなかったようで、
これがとても珍しがられました。



今後、私のように夫について国外へいき、働き続ける人は増えると思います。

駐妻の皆さんの中には、夫の会社の規定で、
働けない(雇用ビザでの帯同は不可)な方もいらっしゃるようですが、
そうでなければ、そして、もし帯同前は日本で働いていたのであれば、
インドでも働くことも検討してみても良いのではないかなと思います。

働くといいこといっぱいあります!



勤務先として一番良いのは、帯同前の企業で駐在させてもらうことだと思うのですが、
これが、なかなか難しいと思います。
私もそうでした。
そんなときは、現地採用という道があります。




働いて良かったこと、列挙してみます。

その1 : インド人の働き方がわかる。そしてインドの暮らし、文化にもっと触れられる
奥さま方の中には、あまりインド人と関わらずに駐在期間を過ごす方も多いですが、
働いていたら、周りはみんなインド人。

すると、働き方はもとより、考え方も垣間見れます。

インドで働いて良かったなと思うのは、インド人とのかかわりから来るものが多いです。
生活の様子、考え方、文化など、一緒に時間を過ごすからこそ見えてくるものが多いです。

感覚の違いは、もちろんあります。
それも、良薬口に入れれば苦し、その時は苦労しても、苦労は後々身になるなと実感します。


その2 : キャリアが続く
これは、その後どう働きたいか次第ですが、
帰国後もまた就職したいようであれば、有利に働く可能性もあるかと思います。


その3 :日本の共働きの良い点はそのままインドでも生きる。
特に海外では、家で待っていると、より夫への精神的な依存度が高まりそうですが、
働いているとある程度はそれが防げるかと思います。

夫が出張に行っていて、その間ずっと家にいたら待ちわびそうですが、
働いていれば、そんなでもないです。日中忙しいですし^^;


その4:自分自身が豊かになる
良い表現が思いつかないのですが、平ぺったい言い方をしてしまうと、成長。

家庭でももちろん、人は成長するものだと思います。
ただ仕事だとより、実感しやすいことが多いのかなと思います。

仕事内容に応じた、目に見える技術や知識だけではありません。


同僚は、心広く優しい人が多く、私も見習うことが多かったり、
インドでは、日本よりも「してあげて当たり前」精神が根付いていて、
その精神も少しお裾分けしてもらえたかなと思います。上司同僚に恵まれたからかな。。

あとは、あまり例えが良くありませんが…、
忍耐力が磨かれたことは、子育てに生かされているように思います(苦笑)!



一方で、大変なことも、もちろんあります。

その1:日本人としての暮らしを維持するには、家事に、より時間が必要です。
食事は特に、外国人としての暮らしを保とうと思うと時間がかかります。
豚・牛肉を買うためだけに、半日かけて買出しに行かねばなりませんでした。

なかなか美味しい豚や牛は、近所にはないものです。
帰りの駅のスーパーで帰る日本ってすばらしい。
最近は、ムンバイで牛肉禁止ですし、牛肉はもはや手に入りません・・・。


また、インドでは二世帯家族が基本なので、
家に誰かがいることを前提として、物事がなりたってます。
メイドさんを常時家においている家庭も多いですしね。

我が家の場合は、夫が家で仕事できる日が多いので、対応してもらっていましたが、
一般会社員だと、土日になんとかこなすか、メイドさんに鍵を渡す必要があるかもしれません。


ただし、メイドさんを入れれば、掃除はしなくていいです!


メイドさんの活躍っぷりはこちら→★★★
メイドさんと、どんな付き合い方をしてるかについてはこちら→★★★


その2:マダムコミュニティには参加できない
日本人マダムコミュニティ(奥さま方の集まり)は平日の日中が基本なので、
それには参加できません。これはちょっと寂しいです。


その3:日本の共働きの大変な点は、そのままインドでも生きる
家事はなんとかするしかないですね・・・。
掃除に関しては、メイドさんにお願いすれば、日本より楽です。


その4:現地採用編
現地採用の良し悪しは、他のブログにたくさんあるので詳細省きますが、
ネット上でよく話題になっている待遇について、
駐在員に比べたら大きく異なるのは、事実です。

・車:企業によってはつきますし、付かない場合も多いです。
また駐妻の場合、企業によって夫の企業が家族車を提供してくれる場合もありますが、
妻も働いていると、その車を使ってよいのか、疑問です。

・給与:言わずもがなですね。駐在員は諸手当てが付きますが、
現地採用の場合、インドは特に物価も安いので、給与は安い傾向にあります。
(もちろん人によります。ビザの関係上、最低でも25000ドル/年はあります。)



また、日本人らしい暮らしをするかについて。
駐在員家庭は、本当に日本の生活をそのままコピーしているのではないかくらいに、
日本をインドで再現できている家庭が多いです。

一方で現地採用の人は、現地になじむ暮らしをしている。
これが最大の差ではないかと私は思っています。
駐在員家庭の場合は、日本食を取り寄せたり、買出しに行く制度がありますが、
現地採用はないので、現地食の人が多いのも特徴です。
  
その人にもよるのでなんともですが・・・。



そんなところでしょうか。






私の場合は、性格の影響もあってか、インド人と働くことを楽しめましたが、
全くもって過去の経歴とは違う業界でしたし、苦労はありました。

周囲に迷惑をかけてしまいながらも、たくさんのことを教えていただきながら過ごしたこと、
これからの人生でもしかと、心に留めておきたいと思います。

沢山の人に助けていただきながら仕事をさせてもらい、
今、帰国して振り返ってみると、働いて得たものは多いです。



もちろん、働くだけが良いのではなく、ボランティアや趣味に打ち込んだり、
家族との時間を充実させるのも素敵だと思います。

私が最も言いたいのは、インド人ともっと触れ合ったほうが、
インドを楽しめるのではないかということです。
けっこうな割合で、早く帰りたいという声を聴いて、ちょっと悲しいなあと思っていました。

何よりも、めったにない駐在の機会を楽しむ人が増えるといいなと切に願っています。




このエントリーをはてなブックマークに追加

↓ランキングに参加してます。良かったらクリックしてください。励みになります。↓

にほんブログ村 海外生活ブログ インド情報へ