2014-02-27

インドで出会った人たち vol.1 ~ゴパール・ラディカ夫妻~

インドに来て、たくさんのおもしろい人、
話を聞いているとわくわくする人、
そしてエネルギー溢れる人たちに出会っています。

夫を通して、彼の仕事の関係上、いわゆる「ソーシャル」な人に会うことも多いのですが、
最近の「ソーシャル」は、いわゆる「社会のために」というゆるーいイメージから脱して、
エッジの効いた活動をしている人も多いんです。

それにもちろん、社会起業家外の人にも会っています。

とにもかくにも、何かしら、輝く人たち、自分の道を自分で切り開いている人たちを
インド人日本人関係なく、少しずつ紹介していきたいと思います。



第一回目はゴパール・ラディカ夫妻。


2人は、インド南部出身のとっても仲のいい夫妻です。

私がインドに移り住む前にも会っていて、
当時、お見合い結婚のカップルをあまり見たことがなかった私は、
「お見合い結婚カップルも、こんなに仲がいいんだな」と思っていました。

2人とも、本業はマイクロファイナンス企業で働いていて、
もう一つの仕事として、「ドリッティー」という名のNGOを立ち上げています。

2人が本業にしている「マイクロファイナンス」は、
マイクロファイナンスを広めたユヌス氏がノーベル賞を受賞したことで
一気に知られるようになりましたが、
ざっくりと説明すると、
少ない担保、もしくは無担保でも、少額を貧しい人たちに貸し出し
生活の糧ができるようにする仕組みです。

(マイクロファイナンスについて詳しくはwikipediaへ → ★★★



夫妻は、マイクロファイナンスでは手を差し伸べられない人たちに何かしたいと思い、
ドリッティーを立ち上げました。

その一つのプログラムの開所式に、行ってきました。




右から、ラディカ、ゴパール。背広の方は政府のお偉いさんらしい。


場所は、女性(とその子ども)用の、政府のシェルター、
何らかの事情で家に帰れない、またはどこかに連れ去られた先から警察に保護された人などが
一定期間を過ごす場所です。

そういった場所がムンバイ市内にも点在しています。


私は日本のシェルターには行ったことがないので比較はできませんが、
インドのシェルターは、大部屋に2段ベッドで皆ぎゅうぎゅうに寝ていて、
自分の部屋なんてものはなく、とても快適そうには思えません。

出ていきたいという女性がいるのも納得です。

それでも、シェルターにいる人の多くは、スラム出身なので、
ご飯が3食出てくるし、そんなに悪くないと思う人もいるそうです。

そう言われると、複雑です。



さて、今回ドリッティーが立ち上げたのは、
シェルターにいる女性が、シェルターを出るまでに、
ビーズアクセサリーを作ることによって、働くことを経験し、
村に帰ってからも生活できるようにしようというもの。

シェルターにいる女性から募った、希望者10人弱で始めます。

一角の、奥まった場所が作業場です。
手前にいる女性たちは、シェルターで生活しています。
(顔が写っている人はスタッフや関係者です)

初めてインドで、式典らしい式典に参加しました。

インドの式典では、挨拶などのスピーチだけではなく、歌を歌います。

ゴパールのお母様は歌の先生で、
それはそれは美しい歌を披露していました。







カーストがとても高い2人のような、恵まれた環境で過ごしてきた人が、
そうでない人と共に働くには、親戚から反対されることも多いそうです。

恵まれない環境にいる人に手を差し伸べることに「反対」されるというよりも、
できればそういった境遇の人と「関わらないほうが良い」と考える人もいるからです。
それだけ、はっきりとした暮らしの違いがあります。



しかしゴパールのお母さんは、
「二人(ゴパールとラディカ)はとても良い人たちよ。
恵まれない環境にいる人との事業を始めていること、誇りに思うわ。」
と、二人の強力なサポーターでした。

そして、私たち夫婦がインドで家を探したりするのに、
ゴパールとラディカにたくさん助けてもらったと言うと、
「良き人たちは出会うのよ。あなたたちがゴパールとラディカに出会ったのは必然よ。」
と言われ、とてもその言葉が心に残りました。


会うべき人は会う。その力は、インドでは特に強いように感じます。

そしてゴパールのお母さんの期待を裏切らず、良き人であれるかどうか、
試されている気がして、この言葉はとても強く残っています。


これから、
他にも今までに出会った、印象的な人たちや団体を少しずつ紹介してきます。



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